虫歯になってしまったら、

まず虫歯の部分を最小限とらないといけません。

 

その後なんらかの方法で詰めていくわけですが、

奥歯は型をとって銀歯を製作し、

後日接着するのが一般的でした。

 

しかし一般的には、銀歯を好まれるかたは少ないのではないでしょうか。

 

特に笑ったときに目立つ位置だと、鏡などを見たときに、

「これ、白くできないのかな?」

と、ストレスに感じられたこともあるかと思います。

 

 

当院では、保険治療で当日のうちに、

「レジン」 と呼ばれる 「白い粘土状のもの」 を

詰めて固めてしまえないかをまず考えます。

 

そして 「レジン」 と 「銀歯」 の長所短所をよくお伝えし、

どちらで治療を進めていくか御相談致します。

 

とはいえ全部かぶせないといけないくらい大きな虫歯だと、

銀歯じゃないと割れてしまったりして、

強度的につらいことも確かです。

 

奥歯には食事のたび30kg相当以上の

ものすごい力がかかります。

従来奥歯の歯科治療では銀歯が第一選択だったのはこのためです。

 

 

しかしここ数年、「レジン」 には、

より固く、

より白く、

より変色しにくく長持ちする、

高価な新製品がでてきました。

 

メーカーによると、ジルコニア(セラミック)を配合したり

粒子をより細かく、ナノ粒子化する技術の開発に成功したためです。

 

当院ではそのようなセラミックが入ったレジンを使用し、

目立つ部位はなるべく白く速く治療して行きたいと考えています。

 

 

もちろん保険治療では、当院がどこの会社のどのレジン製品を使っても

患者さんの御負担する治療費は変わりません。

 

それなら、せっかくなら良い材料を詰めたいです。

 

レジンでの治療は、銀歯に比べると、2~3分の1程度の

治療費負担にしかならないことも長所です。

一本あたり1000円くらいです。

 

また、その日のうちに詰めて仕上げてしまうので来院回数も短く、

銀歯での治療に比べて歯質を削る量も少なくてすみます。

金属アレルギーの心配もありません。

 

 

しかし先程も書きましたが、やはりレジンは銀歯に比べて弱く、

非常に固いものを咬むと割れてしまう可能性はあります。

 

また歯磨き不足だとコーヒーやお茶等の色素が沈着し、

だいぶん改善されたとはいえ、

数年後には黄色く変色していく可能性もあります。

 

天然の歯でさえ欠けたり変色していきますから、

それより弱い材質であるレジンではしかたがないこととも言えます。

 

ですので、コストや全く銀歯の金属色が気にならないかたなら、

やはり銀歯のほうをおすすめしたほうが良いケースもあるでしょう。

 

ただ、境界というか周囲から虫歯が二次的に発生するリスクは

どちらもほとんど同じです。

このあたりはよく御相談させてください。

 

 

もちろん、レジンにしろ銀歯にしろ、

万一治療後すぐにとれたり欠けたりしてしまった時には

御負担なく何度でもやりなおしますから教えてくださいね。